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札幌本部

2022.10.10

ブルックス博士顕彰碑 札幌村郷土記念館に建立

タマネギ栽培の導入・普及を指導した札幌農学校二代目教頭ウィリアム・ペン・ブルックス博士(1851~1938年)の顕彰碑が、札幌村郷土記念館(札幌市東区北13条東16丁目)の前庭に建立され、2022年10月4日に除幕式が行われた。式には秋元克広札幌市長らが出席、ブルックス博士の曾孫がインターネットで中継参加した。

ブルックス博士が北米産の「イエロー・グローブ・ダンバース」(以下「イエロー」)を札幌村に持ち込んだとされる。博士が村に通い、多くの農家がタマネギ栽培を始め、札幌村が国内初のタマネギ栽培地となった。「イエロー」は品種改良が重ねられ、札幌の風土に馴化され、在来種「札幌黄」となった。

札幌村郷土記念館は1978年、札幌黄の栽培に貢献した先人の功績を称える「札幌玉葱記念碑」を同館前庭に建立した。碑文には「我が国の玉葱栽培この地にはじまる」と刻まれたが、ここにブルックス博士の名がないことから、山田治仁館長らが「ブルックス博士こそ札幌黄の生みの親」として、新たな顕彰碑の建立に取り組んだ。岩田地崎建設(札幌市中央区)が建立資金を支援した。

新たな顕彰碑は、札幌玉葱記念碑の隣に建てられた。高さ2.3m、幅1.5m。御影石にステンレス製の碑版が埋め込まれ、「ウィリアム ペン ブルックス博士 “札幌黄”の生みの親」と題記された。ブルックス博士の顔写真や博士の業績などが刻まれた。

除幕式では、開拓農民の子孫でつくる札幌村郷土記念館保存会の橋場善光会長、秋元克広札幌市長、岩田地崎建設の岩田圭剛代表取締役社長、在札幌米国領事館のマーク・ウェベルス首席領事の4人が序幕の紐を引いた。碑が披露されると、関係者約70人が集った会場に拍手が広がった。

関係者から寄贈目録を受け取った秋元市長は「市政100周年の節目の年に、ブルックス博士の功績を称え顕彰する碑を市に寄贈いただいたことは大変感慨深い」と謝辞を述べた。またブルックス博士の曾孫であるシンシア・ドル―・レッドマンさんらがインターネット中継で画面から謝辞を述べた。

式後に開催された祝賀会では、橋場会長が挨拶、ウェベルス首席領事が「博士への敬愛と友情にお礼申し上げる」と謝辞を述べ、宝金清博北大総長とマサチューセッツ大学アマースト校のカンブル・スバスワミー学長らのメッセージが読み上げられた。

(事務局)