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札幌本部

2021.04.11

新渡戸記念館建設へCF寄附金贈呈

 白糠町のふるさと納税クラウドファンディング(以下「CF」)を通して寄せられた「新渡戸稲造遠友夜学校記念館(仮称)」建設資金寄附金の第一期分(2020年12月~2021年3月)2,285,000円が4月9日、白糠町から一般社団法人「新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」(以下「考える会」)に贈呈されました。

 記念館は、同法人が、札幌遠友夜学校跡地(札幌市中央区南4東4新渡戸稲造記念公園内)に、2023年竣工を目指しています。次代の北海道と日本を担う人々のために「新渡戸稲造」と北海道の歴史、農業農学の大切さを学び親しむ拠点としていこうと建設計画が進められており、目標の5,000万円に対して、2013年以来の一般寄附金と今回のCFを合わせて約3,300万円に達しました。

 当会は、この記念館事業を、新渡戸先輩(札幌農学校第二期生)の国際的事績と思想を引き継ぐ農業農学振興事業として位置付け、連携・協力をしています。松井理事長はじめ複数の理事、相談役が「考える会」の役員を担い、多くの同窓生や北大関係者も賛同者として会を支えています。

 この日は、贈呈式が北海道自治会館で行われ、白糠町の棚野孝夫町長(写真左)から、考える会の松井博和理事長(写真右)に目録が手渡されました。棚野町長は「新渡戸先生と札幌農学校が、北海道開拓・農業開発へ果たされた貢献は多大なものがあります。道民が先人の努力に感謝し、学べる場が欲しかった。特に、地方から札幌に行く修学旅行生が北海道と一次産業の歴史を学ぶ施設になればうれしいとも思っています。その意味を込めてCFに協力させていただきました」と記念館建設にエールを贈り、松井理事長は「多額の寄附金をまとめていただき、誠にありがとうございます。利他主義、共生の思想を中心とした新渡戸イズムと科学を柱に、次代の育成にも役割を果たしていきたい」と謝辞を述べました。

 ふるさと納税CFは、第一期はインターネット上の5サイトで展開されていました。このうち、「ふるなび」「ふるさと納税ニッポン」「楽天ふるさと納税」の計3サイトは第二期を4月から始めており、寄附期間を2021年12月末まで継続することが決まっています。また「ふるさとチョイス」サイトは4月27日~6月26日に再開します。CFではない一般寄附は2022年末までの予定です。

 今回のCFは、白糠町が代理事務を担った「代理寄附」と呼ばれるもの。白糠町は寄附金を受け取らずに専ら事務を分担し、全額を「考える会」に贈ることになっています。同町がふるさと納税クラウドファンディングの代理寄附事務を担ったのは、北海道胆振東部地震被災地支援以来2回目です。

 ふるさと納税CFは、寄附者が、年間所得額に応じた上限額内で、寄付額のうち2,000円を手数料として差し引いた全額を、住民税控除と所得税還付のかたちで受け取ることができる仕組みです。つまり、本人負担は2,000円だけで、国税と地方税のうち任意の額を、建設資金にまるごと移せるシステムなのです。限度額内であれば、寄付額は2,000円でも多額でも、納税者の負担は変わりません。なお、返礼品のあるCFもありますが、本CFでは返礼品の用意はありません。

 当会としても、会員の皆さんはじめ多くの皆さんに、このふるさと納税CFによる寄附をご検討いただけるよう、広く呼び掛けています。

 贈呈式は、北海道新聞社、北海道協同組合通信社、北海道建設新聞社が取材し、すでにいずれも記事が掲載されています。