札幌本部
2021.10.28
天皇賞出走馬の兄、北大でも活躍

2021年10月31日、東京競馬場にて天皇賞秋(GⅠ)が行われる。国内最高峰の重賞レースだ。
出走馬は、マイラー(注1)最強の呼び声も高い女傑グランアレグリア、今年での引退を発表した3冠馬コントレイル、今年度皐月賞を3馬身差で圧倒したエフフォーリアや、天皇賞春を勝ったワールドプレミアなど。錚々たるメンバーが集まる豪華なレースである。
そんな華麗なメンバーの1頭にユーキャンスマイル(牡6歳)という馬がいる。
父キングカメハメハ、母ムードインディゴ(母父ダンスインザダーク)という血統で、主な勝ち鞍(注2)はダイヤモンドステークス(GIII)、新潟記念(GIII)、阪神大賞典(GII)など。
主にステイヤー(注3)として活躍するユーキャンスマイルの全兄弟(注4)の一頭が北大馬術部に居ることはあまり知られていない。

名前はノガロ。牡8歳。2017年まで中央レースで活躍(16戦3勝(3-0-3-10)(注5)、獲得賞金4,946万円)したのち、北大馬術部へと移動した。
そこで、ノガロのお世話を担当している馬術部部員・石田隆悟君(理学部生物科学科3年生)に、ノガロについて話をうかがった。

「ノガロは、性格はわがままで我は強い。噛んでくるし、他の馬に比べて手間がかかります。でも、寂しがり屋な性格など、お世話してくれる人にだけ分かる可愛さがありますね」
「推しはやはり見た目。艶々の馬体に、毛艶の良さ、馬格があることなど、8歳には見えない若さがあります。キュートなクリクリのお目目も推しポイントですね」

「また、食への執着がすごく何でも食べるところもポイントの一つです。他の馬がバナナの中身しか食べない中、ノガロはバナナの皮すら食べるところも可愛いんです」
とのこと。手間はかかるがその分可愛いようだ。
ノガロという兄が北大にいることを知ると、天皇賞秋のユーキャンスマイルの応援にも熱が入るかもしれない!
さらに、ユーキャンスマイルの全兄弟の妹には、どういう縁か、札幌と函館で行われるレースで非常に安定した成績(0-2-3-1)を残しているルビーカサブランカという馬も現役で頑張っている。まだ4歳ということで今後の成長が非常に楽しみである。
注1 1マイル(1600メートル)前後の距離の競争を得意とする馬
注2 1着になったレース
注3 スタミナ豊富で、長距離レースの得意な馬。ふつう2400メートル以上の距離に強い馬を指す
注4 父母が同じであること。サラブレッドの場合、母親から生まれた馬たちを「兄弟」、父親も同じ場合は「全兄弟」、異なる場合は「半兄弟」という
注5 過去のレース成績で、括弧内の数字は、左から1着-2着-3着-着外の回数
(さっぽろ農学校リポーター・林芳弘=D2=、写真も)