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東京支部

2019.12.17

2019年同窓会誌発行される

  2019年の「札幌農学同窓会誌」(通算24号)が12月10日、発行されました。関係各位の自薦他薦により、計32本の玉稿が寄せられ、豊富な写真、データとともに掲載されています。

  新渡戸稲造氏に関わる原稿がたまたま多く寄せられたため、「新渡戸稲造特集」コーナーが設けられました。「台湾砂糖之父」と現地で呼ばれた新渡戸稲造が、台湾製糖業などに残した足跡をたどることのできる原稿を集めています。

  前関西支部長の和田武夫氏による「台湾の製糖会社で活躍した北大農学部卒業生一覧」は初めてまとめられた資料。国立台湾大学に一年前に赴任された中井太郎氏は同大のキャンパスや学生の様子を活き活きと伝えておられます。また社是に「開拓者精神」の文字が明記されている日本甜菜製糖株式会社の木山邦樹氏は、北海道と台湾を舞台とした同社の営みを、台湾糖業博物館(高雄市)の写真とともに綴られています。堀田国元氏は遠友夜学校の校章と校旗が誕生したいきさつについて知られざる逸話を紹介されています。

  また2017年9月開催の当会創立130周年記念式典での草原克豪氏による特別講演「新渡戸稲造の愛国心と国際心」の全文を採録しています。

  当会の元理事長である故岡島秀夫氏を偲ぶ特別寄稿(カラー版画8枚付き)が掲載されました。岡島氏と絵画などで交友のあった松井(宝賀)寿子氏による味わい深い、版画と文章です。松井氏は当会会員名簿の表紙画制作を、岡島氏から2014年に引き継がれています。

  もうひとつ、あっと驚くカラー写真が後半に4枚掲載されています。札幌農学校時代に制作されたとみられる植物画です。リンゴやブドウなどの精密な色彩画です。園芸学教室の図書室に長く保存されていたものが今年、鈴木卓准教授の手で発見され、当会事務所に持ち込まれました。鈴木先生によると、この数十枚の植物画は、写真の少なかった時代に教科書として使われた可能性もあるとのことで、100年以上の年月を経て日の目を見ました。詳しい調査はまだですが、今後、情報収集整理がされるものとみられます。

  お寄せいただいた玉稿のすべては紹介しきれませんが、どれも楽しく充実した文章であり、当会会員の高く豊かな力に、みなさん驚かれると思います。今号は年内に会費会員に届くよう手配が進んでいます。

  当会が毎年5月ごろ発行する「会報」は住所等の登録がある会員全員に送られていますが、2年に1回年末に発行する「会誌」は会費を支払っている会員に送付されています。会費未納の会員はぜひ、これを機会に、会費支払いをお願い申し上げます。

  また、2年後の会誌には、みなさんの原稿をどしどし寄せて下さい。ジャンルは問いません。お仕事の内容、研究の面白さ、普段の暮らしの様子、レポートから随筆まで結構です。写真だけでも構いません。委細は事務局に相談してください。

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