ニュース

札幌本部

2024.02.16

昌介と稲造の生き方学ぶ 新渡戸連続講座

2024年2月13日(火)に新渡戸遠友リビングラボ(仮称)建設支援連続講座の今年度第8回が札幌市内の愛生館サロンにて開催された。

北海道大学名誉教授の小笠原正明氏が『南部の侍・佐藤昌介と新渡戸稲造の生き方』と題して、南部(現在の岩手・青森・秋田地方)の武家出身である二人とその人脈にかかわる史実を「物語」として語った。

【「物語」を交えて講演する小笠原先生】

前半で小笠原氏は、佐藤と新渡戸とともにいずれも南部藩校「作人館」に通っていた共通の友人であった、原敬(はら・たかし)=後の内閣総理大臣=と、栃内元吉(とちない・もときち)=陸軍中佐で道内各地の屯田兵村建設に貢献=の存在も強調して、北海道開拓ならびに札幌農学校創立、帝国大学の設立に寄与した彼らの活躍について詳しく解説した。

【豊富な資料に目を通す参加者たち】

また後半では、タイトルにもある『南部の侍』の意志、いわゆる「時代精神」、「地方精神」がなぜ明治期にも続いたのかを新渡戸の著書である『武士道』を紐解くことによって、分析した。そのなかで、基本となる「名誉」、「勇気」、「忠節」の3つを中心に解説した。

【後に首相となって来札した原敬が、佐藤総長の案内で建設予定地を視察した、工学部の校舎】

会場では質疑応答も盛んであった。当時の偉人が残した記録に対する解釈にさまざまな議論がおこり、それらに関連する書物を読み直す良いきっかけとなったであろう。

(「さっぽろ農学校」リポーター・辻大和=2年、写真も)