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札幌本部

2020.12.25

北大農場で羊たちの冬支度

雪が積もり始めた北大農場で、羊たちの冬支度が進んでいる。約60haの農場の、ポプラ並木近くの一角で、春から秋にかけて緑の放牧地で草を食んでいた羊たちも、冬の間は小屋の中で過ごす。このため、関係者たちはこの時期、小屋の整備や羊の移動、電気牧柵の撤去などに忙しい。

降雪が例年より遅いペースの札幌も、11月には計5日の降雪があり、12月に入ってからは中旬に1日数センチ程度の降雪が連続した。そのため、積雪は増えており、23日の最深積雪は8㌢となっている。

お母さん羊たちがいる小屋(手前)。羊の子どもはほとんどが双子で生まれてくる=12月22日撮影

羊は季節繁殖動物で、秋から冬にかけて妊娠し、春になると子どもを産む。妊娠期間は150日とヒトよりも短い。現在妊娠中のお母さん羊たちは、比較的暖かい囲われた小屋の中で冬を越し、次の春には4月出産予定の子羊たちとともに外へと出てくる。

冬用の小屋に移されたオス羊たち。=12月8日撮影

一方、コンクリートの塀にビニール屋根を張り出しただけで風通しの良さそうな小屋に集められているのは、2020年4月に生まれた若いオス羊たち。品種は「テクセル」などの肉用種だ。彼らは春を待たずに出荷される予定。ラム肉(生後12か月未満の羊肉)になる。

雪に囲まれた小屋で、乾草(小屋内左)を食べるオス羊たち=12月22日撮影

新型コロナウイルスのため、人間は密集することが難しいが、羊は体寄せ合って冬を過ごすのだろう。果たして2021年はどんな年になるだろうか。寒さの緩む春に、かわいい子羊たちの顔を見るのが待ち遠しい。

最上段写真(アイキャッチ画像): 雪の中、放牧されている羊たち=11月24日撮影

(さっぽろ農学校リポーター・市村恵美=D2=、写真も)