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札幌本部

2022.06.04

サポーターたちが札幌農学校第2農場と現北大牧場を見学

札幌農学同窓会のメディア拡充プロジェクトと「お宝」発掘発信プロジェクトに取り組んでいる「さっぽろ農学校サポーター」の学生たちが5月29日、『札幌農学校第2農場』と現在の北大牧場を見学した。サポーターたちは、北大のルーツの一つと言える施設群の中で、札幌農学校の歴史を伝える「お宝」の数々に直接触れ、牛の血統や持続可能なシステムが現在に引き継がれていることを学び、プロジェクト推進へ気持ちを新たにしていた。

【モデルバーンを見学する参加者たち】

『札幌農学校第2農場見学会・研究交流会』と銘打ち、同窓会の要請に応えて下さった北大総合博物館の近藤誠司名誉教授と農学研究院畜産科学科の三谷朋弘准教授がガイドを担当。サポーターとリポーターの学生たち8人のほか、同窓会の役員ら関係者6人、またプロジェクトに参加されている出版社である寿郎社の土肥寿郎社長、下郷沙季編集者の2人も参加された。コロナ禍のため各施設とも屋内の一般見学は現在休止中だが、今回は特別の計らいで、主要施設の内部も見学した。

【札幌農学校時代の講義で用いられた動物画や植物画などの資料(モデルバーン1階)】

1877(明治10)年に設置され、1969(昭和44)年に国の重要文化財に指定された札幌農学校第2農場は、モデルバーン(模範家畜房)、コーンバーン(穀物庫)、種牛舎、牝牛舎等の建築物で構成されている。明治時代には牛と馬、豚を飼育し、牛から搾乳した生乳はチーズやバターに加工して流通させていた。

【かつては冬に乾草が詰まっていたモデルバーン2階には現在、当時の輸入農機具が展示されている】

人が利用できない草を食べさせて乳製品や肉などを利用、糞尿は牧草地に還元して草の肥やしとし、根菜類や生乳加工の際に生じるホエーなどは豚に与えるといったサステナブルなシステムが当初から存在しており、今日の「SDGsの北大」につながっている。

【トウモロコシなどの穀類を貯蔵していたコーンバーンの内部には現在、鍬などが展示されている】

モデルバーンの建物の中では札幌農学校時代に講義の資料として用いられていた掛け軸や当時の植物画、播種機やマニュアスプレッダー、プラウなど欧米から輸入された多くの畜力式農業機械、馬具などが展示されていた。また、普段は倉庫内に大切に保管されている札幌農学校時代の牛と馬の標本図や、牛の戸籍である「牛籍簿」、厚い皮表紙の備品購入簿、「札幌農学校校則」などの「お宝」も、直接見せていただいた。

コーンバーンには明治時代に使用された様々な種類の鍬をはじめとする農具類が展示されており、この大きさの鍬を扱っていたのかと驚いた。

【生物生産研究農場の牛舎内部には、産まれたばかりの子牛が元気にはねていた。この仔も日本初導入の3系統の一つであった】

続いて三谷朋弘准教授案内のもと現在の北大第1農場の施設を見学した。ちょうど牛舎から牧草地へと放牧が始まる時刻で、参加者たちは屋内外の様子を見学できた。130年以上前の1889年に日本で初めて導入されたホルスタイン種3頭の血統が札幌農学校と北大で守られている。その大切な牛達を間近に見ることができた。技術職員の方々が牛や羊のお世話を懸命に行なっている様子が印象的であった。

【第1農場に放牧され、生の草を食べている牛たち。先祖代々、この牧草地周辺で暮らしてきた】

最後に北大正門近くの「北大マルシェCafé & Labo」で交流会を行なった。見学会の振り返りとともにさっぽろ農学サポーター・リポーターの活動の情報共有を行い、親睦を深めた。下の写真は第1農場の放牧牛から生産された「北大牛乳」を味わっている様子だ。私は「今までに飲んだことのある牛乳で最も濃厚で美味しかった」と感動した。皆さんも是非訪れて味わってみてはいかがでしょうか。

【交流会で「北大牛乳」を飲む参加者たち。(北大マルシェCafé & Labo)】

(さっぽろ農学校リポーター・齋藤侑己<ゆうま>=M2=、写真も)

【最上段の写真:普段は倉庫に厳重に保管されている牛や馬の絵を見学する参加者たち。絵はかつての講義などで使用されていたとみられる=桜井徳直特別講師撮影=】